THOB02  加速器応用・産業利用  10月20日 会議室B 9:20-9:40
レーザー加速器駆動の中性子源を用いた中性子共鳴透過分析法の開発
Development of neutron resonance transmission analysis using a laser accelerator driven neutron source
 
○伊藤 史哲(高エネ研),李 在洪,弘中 浩太,小泉 光生(原子力機構),余語 覚文(大阪大学)
○Fumiaki Ito (KEK), Jaehong Lee, Kota Hironaka, Mitsuo Koizumi (JAEA), Akifumi Yogo (Osaka Univ.)
 
核物質の平和利用を担保するため、原子力施設等においては、国際原子力機関等からの検認を受けている。核物質の利用拡大に伴い、査察業務の効率化が急務であることから、その場で簡便に核物質の計量が適う非破壊分析(NDA)法の高度化が求められている。 中性子共鳴透過分析(NRTA)は、パルス中性子を計量したい核物質に照射し、飛行時間(TOF)法を用いて測定を行う動的なNDA技術の一つである。試料中の原子核は、固有の共鳴エネルギーにおいて大きな核反応確率を示し、それを中性子透過率の減少として観測することで、核種別の計量が行える。試料と検出器を離して設置できるため、核分裂生成物を多く含むような高い放射能を有する核物質に対しても有効であり、高精度でTOF測定を行うことで、化学的処理を必要とする破壊分析法と比較してもそん色のない精度で核物質計量が可能である。 しかし、NRTAの様々な施設への導入には、システムのコンパクト化が求められる。そのため、短い中性子飛行距離でTOF測定を行うことは重要であるが、その上で高精度に測定するためには、短パルスの中性子源が必要となる。近年の発展著しい超高エネルギーレーザーを用いた粒子加速器は、レーザーが極短パルスであることから、短パルスの荷電粒子を発生させることができる。そこで我々はレーザー加速器駆動の中性子源を用いたNRTAの技術開発を行い、実証実験を行った。その結果について報告する。