WEP043 高周波源・LLRF 8月11日 会議室P 13:10 - 15:10 |
SuperKEKBのLLRF制御における導波管温度変化に対する空洞電圧制御ループの位相補償 |
Cavity Voltage Control Loop Phase Compensation for Waveguide Temperature Change in SuperKEKB LLRF Control |
○小笠原 舜斗,赤井 和憲,小林 鉄也,中西 功太,西脇 みちる,渡邉 謙(KEK) |
○Shunto Ogasawara, Kazunori Akai, Tetsuya Kobayashi, Kota Nakanishi, Michiru Nishiwaki, Ken Watanabe (KEK) |
SuperKEKB加速器は、高ルミノシティを達成するため、2A以上という大電流ビームの蓄積運転を目指している。大電流ビームを十分に加速するために、RFシステムには設計電流において1空洞あたり800kWを超える大電力RFの安定供給が要求される。このような大電力RFを地上のクライストロンから地下の加速空洞へ輸送する立体回路系では、壁面抵抗などによる導波管の発熱で線路長が変化する。結果、空洞到達時のRF位相が導波管の温度に対応して、ある範囲で変化する。現在の立体回路の構成では、その表面温度は最大80℃程度に達すると見込まれ、それによる導波管での位相変化量は70度程度になると予想されている。RFステーションの一部に導入されているデジタルLLRF制御システムは、広帯域特性などを考慮し、空洞電圧制御にRF信号のIQ成分によるフィードバック(FB)制御方式を採用している。この方式では、FBループ内の大きな位相変化に対して安定領域が制限されるという弱点があるため、上記の導波管での位相変化が問題となる可能性がある。この問題に対し、立体回路の冷却で対応することを検討しているが、一方で、LLRF制御系でも対応策を別途準備しておくことが重要である。そこで、デジタル制御システムのRFステーションでは、導波管温度をモニターし、その変化に対しFBループ位相を自動で補償する機能を導入した。これについて、位相変化の評価結果、ループ位相補償方式の詳細などを紹介する。 |