WEP003  加速器応用・産業利用/粒子源  8月11日 会議室P 13:10 - 15:10
ナノガンを利用したMeV領域の陽子生成装置
Table-Top MeV Proton generator using Nanogan
 
○依田 哲彦,森田 康之,神田 浩樹(阪大RCNP),高久 圭二(神戸常盤大),嶋 達志,福田 光宏(阪大RCNP)
○Tetsuhiko Yorita, Yasuyuki Morita, Hiroki Kanda (RCNP, Osaka Univ.), Keiji Takahisa (Kobe Tokiwa Univ.), Tatsushi Shima, Mitsuhiro Fukuda (RCNP, Osaka Univ.)
 
十数MeVの陽子ビームは、短寿命RIであるPET薬剤の18Fや67Cu等の生成に利用される。この陽子ビームをサイクロトロンなどの加速器を使わず、より手軽な方法として核融合反応 3He+D→p+4He (D:重 陽子、p:陽子)を利用することを検証してきた。この核融合反応の結果放出される 14.67MeV の陽子により、研究室レベルで気軽に使用でき、また、導入コストが低いテーブルトップ サイズの小型陽子源の実現が期待される。この核融合反応による陽子生成は2字ビームであるがゆえに反応率の低さ問題となるため、プライマリーの3Heビームを増強することを中心に装置開発を進めてきた。本研究で3Heイオン源の大強度化とともに、D標的の構造の最適化が重要となってくる。つまり大強度ビームの熱負荷に耐えられつつ、生成した陽子のエネルギーロスを極限まで低減する構造が求められる。今回、新しく作成した金属薄膜とカプトン膜を利用した標的装置による陽子生成実験の状況について報告する。