WEOB03  加速器制御  8月11日 会議室B 9:40 - 10:00
ベイズ最適化によるcERLビームの自動調整
Automated beam tuning based on Bayesian optimizatin for the cERL in KEK
 
○帯名 崇,本田 洋介(高エネ研)
○Takashi Obina, Yosuke Honda (KEK)
 
近年では機械学習手法の発展は目覚ましく、各種ソフトウェアツールの充実もあいまって既に多くの加速器ビーム調整に利用されている。そのなかでも我々はベイズ最適化による調整手法を compact ERL (cERL)の運転に適用し、実際の様々なビーム調整に活用している。現在のcERL運転における重要課題の1つは中赤外線領域でのFELを発振させかつ強度を最大化することであり、そのためには入射器や主加速器、バンチ圧縮条件など多数の運転パラメータを大きく変更し、かつ、パラメータごとにFEL強度を最大化する調整が必須となる。ベイズ最適化は従来手法に比較して最適値に到達するまでの時間が短縮化することが可能であるため今や必要不可欠なツールの1つとなっている。本稿ではベイズ最適化の原理と具体的なツールについて簡単に述べた後、実際のcERL運転でのビーム調整例としてビームサイズ調整、4極磁場中心軌道調整、R56,T566などバンチ圧縮調整、FEL強度調整などについて発表する。また、実際のビーム調整では測定ノイズへの対処も重要であるためこれについても解説する。ベイズ最適化の手法は他の加速器にも容易に適用可能であり今後の発展が期待できる。