WEOA03  加速構造①  8月11日 会議室A 9:40 - 10:00
次世代放射光源のための1.5 GHz TM020型高調波空洞の低電力測定
Low-power test of the 1.5 GHz TM020-type harmonic cavity for the future synchrotron light sources
 
○山口 孝明(総研大加速器科学専攻),坂中 章悟,山本 尚人,内藤 大地,高橋 毅,高富 俊和(高エネルギー加速器研究機構)
○Takaaki Yamaguchi (Dept. Accelerator Science, SOKENDAI), Shogo Sakanaka, Naoto Yamamoto, Daichi Naito, Takeshi Takahashi, Toshikazu Takatomi (KEK)
 
TM020型RF空洞[1]は、バンチギャップによるRF電圧の過渡的変動を抑えることができ、またコンパクトな寄生モード減衰機構を備えることができる、といった利点がある。我々はこのTM020型空洞の、次世代放射光源におけるバンチ伸長用高調波空洞としての利用を検討しており、低電力モデルを昨年度製作した。本空洞には、加速電磁場の回転対称性を良くするため、ビーム軸に対し回転対称に3つの可動式周波数チューナーを設置する[2]。また、空洞内に高周波を入力するループ型入力カップラーには、加速電磁場への摂動を抑えるため、ループ部を扇状の板に変更した特有の設計を採用した。TM020加速モードの磁場の節の位置には同軸型スロットが配置され高周波吸収体で終端される。これによりビーム不安定性を誘起する多くの寄生モードが減衰される。現在モデル空洞の低電力測定を進めており、加速モードの周波数、Q値、カップラーとの結合度、及び寄生モードの減衰性能等を確認している。本発表では、これら低電力試験の結果とシミュレーション結果との比較検討について報告する。[1] H. Ego, et al., PASJ2014-MOOL14, p. 237. [2] T. Yamaguchi, et al., PASJ2020-WEPP31, p. 308.