TUP053  施設技術報告  8月10日 会議室P 12:50 - 14:50
KEK放射光源加速器PFリングとPF-ARの現状
Present status of PF ring and PF-AR at KEK
 
○小林 幸則(KEK加速器研究施設)
○Yukinori Kobayashi (Accelerator Laboratory, KEK)
 
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構(KEK)の放射光実験施設(フォトンファクトリー:PF)は、1982 年から今日まで大学共同利用を中心にした運営を行い、物質科学および生命科学を中心にした基礎科学の発展に貢献してきた。現在では、2.5GeV PFリングと6.5 GeV PFアドバンストリング(PF-AR)の2つの放射光専用リングを運転し、年間3,500 人を超えるユーザに対して紫外線からX線までの放射光を供給している。PFリング、PF-ARともに稼働から約40年経過しており、各種装置の老朽化が顕著になってきているが、随時対策を講じながら故障率1%台の安定な運転を維持してきた。2020年度は、冷却水配管に課題を抱えていたPFリングのセプタムII電磁石の更新を含めた新入射スキームへの改造を実施した。また、ビーム診断システムの高度化の作業を開始した。本年会では、高度化・老朽化および故障対策等を含めたPFリングとPF-ARにおける運転の現状について報告する。また、2020年度から開始したPFリング高度化計画についても報告する。