TUP051  光源加速器/レーザー  8月10日 会議室P 12:50 - 14:50
パルスラジオリシスシステム高度化へ向けたスーパーコンティニューム光開発
Study of supercontinuum generation for pulse radiolysis system
 
○金子 悠隆,佐藤 未宇,小柴 裕也(早大理工総研),坂上 和之(早大理工総研/東大光量子研),鷲尾 方一(早大理工総研)
○Yutaka Kaneko, Miu Sato, Yuya Koshiba (WISE,Waseda Univ.), Kazuyuki Sakaue (WISE,Waseda Univ./UT-PSC), Masakazu Washio (WISE,Waseda Univ.)
 
放射線化学反応はアト秒という非常に短い時間から始まり、その初期過程がその後の反応の支配的因子とされている。そのため、放射線化学反応の初期過程を解明することは、非常に重要となる。この初期過程を解明する手法の一つにパルスラジオリシスがある。パルスラジオリシスとは、電離放射線を物質に照射すると同時に分析光を物質に照射し、その吸収スペクトルを見ることで、活性種の時間的追跡を行うことができる。しかし、先ほど記述したように放射線化学反応はアト秒という非常に短い時間から始まるため、パルスラジオリシスシステムにもそれと同様の時間分解能が求められる。したがって、パルスラジオリシスの分析光は超短パルスであることが望ましい。また、パルスラジオリシスを行う物質の吸収波長が必ずしも既知であるとは限らない。それゆえに、分析光の波長帯は広域である方がよい。加えて、重要な活性種の吸収波長は可視光領域にあるとされているため、可視光領域もカバーしていることが望ましい。我々は、こうした要求を満たす最適な分析光として、Erファイバーレーザーの二次高調波(775nm)より生成されるスーパーコンティニューム光が最適であると考えた。本発表では、このスーパーコンティニューム光開発の現状、及び今後の展望について述べる。