TUP030  電子加速器  8月10日 会議室P 12:50 - 14:50
パルス大強度相対論的電子ビームの発散角計測系の構築
Development of divergence angle measurement system for pulsed intense relativistic electron beam
 
○中野 竜也,菊池 崇志,佐々木 徹,高橋 一匡(長岡技術科学大学),今田 剛(新潟工科大学、長岡技術科学大学・極限エネルギー密度工学研究センター)
○Tatsuya Nakano, Takashi Kikuchi, Toru Sasaki, Kazumasa Takahashi (NUT), Go Imada (NIIT, NUT-EDI)
 
昨今,世界中で様々な環境問題が発生している。水環境に関しては難分解性物質の海洋放出やバラスト水による生態系への影響などが問題として挙げられる。これらの問題を解決するための方法の一つとして,パルス大強度相対論的電子ビーム(Pulsed Intense Relativistic Electron Beam:PIREB)を用いた応用研究が行われている。これまでに,PIREBの強い電離作用による有機化合物の分解,水中の微生物の不活性化などが検討されてきた。これらの研究は,試料を封入した容器をターゲットとしてPIREBを照射し,その影響を試料の分析結果により評価するという方法で行われている。しかし,PIREBのビームプロファイルは空間的に一様ではないことから,さまざまな試料への効果的な照射条件を決めるために,照射線量分布を把握することが必要である。本研究では,PIREBの発散角を測定する計測系の構築を目的とした。照射するPIREBのビームプロファイルはカソード形状を反映した円環状であるため,円環状ビームの発散角を評価できる計測系が必要である。このため,アクリル製のアパーチャでビームをコリメートし,面状の線量フィルムで線量分布を取得する。得られた線量分布を画像解析し,ビームの発散角や回転,傾きなどの情報を得る。発表では,設計・構築した計測系を用いて測定した結果を報告する。