TUP021 ハドロン加速器/ビームダイナミクス・加速器理論 8月10日 会議室P 12:50 - 14:50 |
散乱体による遅い取り出しビームのロス低減 |
Diffusers for loss reduction in slow extraction at J-PARC Main Ring |
○武藤 亮太郎,新垣 良次,木村 琢郎,村杉 茂,岡村 勝也,冨澤 正人,柳岡 栄一,白壁 義久(高エネ研),松村 秋彦(NAT) |
○Ryotaro Muto, Yoshitsugu Arakaki, Takuro Kimura, Shigeru Murasugi, Katsuya Okamura, Masahito Tomizawa, Eiichi Yanaoka, Yoshihisa Shirakabe (KEK/J-PARC), Akihiko Matsumura (NAT) |
J-PARCメインリングでは30GeVに加速した陽子ビームを3次共鳴を利用した遅い取り出しによってハドロン実験施設に供給している。これまでにビーム取り出し効率99.5%、ビームパワー64kWでのビーム供給を達成しているが、さらなるビームパワー増強のためには取り出し過程におけるビームロスの低減が不可欠である。ビームロスは主に、遅い取り出し機器の最上流部に位置する静電セプタムのセプタムリボンによって発生している。そこで我々は静電セプタムの上流に散乱体を設置し、セプタムリボンに当たる陽子ビームを少角度散乱させることで、セプタムリボンにおけるビームロスを低減する可能性を検討した。まずMARSおよびFLUKAを用いたシミュレーションにより有効な散乱体の素材やサイズを決定し、それに基づいて製作した散乱体をJ-PARCメインリングにインストールした。本発表ではシミュレーションの内容と、2021年2月に行った1回目のビーム試験の結果を報告する。次回のビーム試験は6月に予定されており、可能ならば2回目のビーム試験の結果も報告したい。 |