TUP006  加速器応用・産業利用/粒子源  8月10日 会議室P 12:50 - 14:50
J-PARCリニアックのイオン源RFおよび空洞RFの同期システム
Synchronization system of Ion Source RF and Cavity RF in J-PARC Linac
 
○柴田 崇統(高エネ研),平野 耕一郎(原研),平根 達也(キャンドックスシステムズ),神藤 勝啓,林 直樹,小栗 英知(原研)
○Takanori Shibata (KEK), Koichiro Hirano (JAEA), Tatsuya Hirane (Candox Systems), Katsuhiro Shinto, Naoki Hayashi, Hidetomo Oguri (JAEA)
 
J-PARCリニアックでは、2015年より高周波放電型(RF)負水素イオン源運転を開始し、リニアックへ供給するビーム強度を従来の33 mAから60 mAに引き上げた。一方、RFイオン源ではプラズマ点灯のため数10kWの2 MHz RFを高周波アンプから入力する。これにより、RFプラズマや出力イオンビーム電流・エミッタンス等のパラメータが、RF入力周波数で揺動する結果が見られた。リニアック各部における電流波形計測からは、形成した中間バンチがイオン源の2MHz揺動によって異なる波高を持つ結果が見られた。現状、このビーム揺動によって、リニアックや後続の円形加速器における重大なビームロスは発生していないが、将来的なビーム強度増加の際に機器放射化や放電の原因となり得る。 2MHzの揺動をイオン源で取り除くことは現状困難だが、イオン源RFと空洞RFの同期を取ることで、ショット(25 Hz)ごとの中間バンチ波高に規則性を持たせることが出来るため、リニアック運転開始時の位相調整から逸脱したビームロスの低減が期待できる。本発表では、イオン源RFプラズマのインピーダンス整合のため2MHz±50kHzの周波数変調を行うシステムに改良を施し、リニアック空洞RFとの同期を取ることに成功したため、その結果を報告する。