TUOB06  電子加速器②/真空  8月10日 会議室B 17:40 - 18:00
KEK-ATFにおける極小ビームに対するWakefieldの影響評価
Evaluation of the effects of wakefield to small beam at KEK-ATF
 
○阿部 優樹(総研大),久保 浄,奥木 敏行,照沼 信浩(KEK、総研大)
○Yuki Abe (SOKENDAI), Kiyoshi Kubo, Toshiyuki Okugi, Nobuhiro Terunuma (KEK, SOKENDAI)
 
ATFでは国際リニアコライダー(ILC)に求められる極小ビームを実現する最終収束技術の研究開発を進めている。目標鉛直ビームサイズ37nmに対して、2016年には鉛直ビームサイズ41nmまで達成していることを確認した。ATFの極小ビームはウェイク場を主たる原因とするビーム強度依存性を持つ。2016年、ウェイク場の影響を低減するためのビームラインの改造を行い、ビーム強度依存性が緩和されたことを確認した。 安定な極小ビーム生成のため、ナノビームに対するウェイク場の影響評価を進めている。先行研究では、これらビームラインを再現するモデルを作成し、ウェイク場の極小ビームへの影響を確認した。 その結果、真空フランジやRFシールドを内挿した真空ベローズなどの影響が大きいことが示されたが、未だに解析結果と実験結果は定量的に一致していない。原因の一つとして、真空ベローズなどの可撓部品のウェイク場の解析が不十分であることが考えられる。現在、ATFビームラインの更なる高度化が検討されており、ウェイク場低減のための改造案を具体化する上で各ウェイク源に対する更なる理解が重要とされている。そこでビーム試験に基づいたウェイク場の影響確認並びに計算モデルの最適化を検討している。本報告ではそれらに向けた作業の進捗と現状について述べる。