THP046  高周波源・LLRF  8月12日 会議室P 13:10 - 15:10
J-PARCリニアックにおける低電力高周波制御システムの現状
Present Status of J-PARC Linac LLRF System
 
○二ツ川 健太,Ersin Cicek,方 志高,福井 佑治,溝端 仁志(高エネルギー加速器研究機構),篠崎 信一(日本原子力研究開発機構),佐藤 福克(株式会社NAT)
○Kenta Futatsukawa, Cicek Ersin, Zhigao Fang, Fuji Fukui, Satoshi Mizobata (High Energy Accelerator Research Organization), Shinichi Shinozaki (Japan Atomic Energy Agency), Yoshikatsu Sato (NAT)
 
J-PARCリニアックの低電力高周波制御(LLRF)システムは、システムの開発期間から既に20年以上経過している。ハードウエアの制御ボードの生産中止やソフトウエアの開発環境の維持が困難になり、安定した運転の継続のためには次世代への速やかな移行が不可欠である。そこで、ADCとDAC及びFPGAを実装したデジタイザを開発して、DTL3とSDTL01~16で運用を開始している。今回、新たにMEBT1のバンチャ空洞2式とチョッパ空洞2式を制御するために、microTCA.4ベースのデジタルフィードバック(DFB)・フィードフォワード(DFF)システムを開発した。既設のデジタイザに実装されているデジタルのAMCボードに加えて、新たに高周波やクロックを生成するアナログのeRTMボード、ダウンコンバータとIQ変調を実装したmicroRTMボードを加えた構成になっている。DESYで開発されたRFバックプレーンを実装したシェルフを採用して高周波やクロックを分配しているため、従来よりも集積度の高いシステムになっている。MEBT1では、精密空調機で恒温恒湿環境を整えた19インチラックに、このDFB・DFFシステムを実装する予定である。 本講演では、開発したDFB・DFFシステムのオフライン試験の結果と今年度に実施するMEBT1の改修の計画について発表する予定である。