THP027  ビーム診断・ビーム制御  8月12日 会議室P 13:10 - 15:10
フレキシブル基板を用いた長尺データケーブルの性能評価
Performance Study on Very-Long Data-Cable based on Flexible Printed Circuits
 
○蜂谷 崇(奈良女子大理, 理研BNL),秋葉 康之(理研),今井 皓(立教大理),近藤 崇(都産技研),柴田 実香,下村 真弥,高濱 瑠菜(奈良女子大理),中川 格(理研),並本 ゆみか(奈良女子大理),糠塚 元気(理研BNL),長谷川 勝一(原研),森田 美羽(奈良女子大理)
○Takashi Hachiya (Nara Women's Univ., RBRC), Yasuyuki Akiba (RIKEN), Hikaru Imai (Rikkyo Univ.), Takashi Kondo (TIRI), Mika Shibata, Maya Shimomura, Runa Takahama (Nara Women's Univ.), Itaru Nakagawa (RIKEN), Yumika Namimoto (Nara Women's Univ.), Genki Nukazuka (RBRC), Shoichi Hasegawa (JAEA), Miu Morita (Nara Women's Univ.)
 
高エネルギー重イオン衝突によって高温クォーク新物質・クォーク・グルーオン・プラズマの性質を明らかにするための新実験sPHENIXが米国ブルックヘブン研究所のRHIC加速器において2023年より始まる。我々はsPHENIX実験で用いるシリコン飛跡検出器INTTおよびデータケーブルを開発している。INTTはストリップ型検出器で衝突点から半径6-12㎝を覆っている2層バレル型の検出器である。 INTTで測定された大量のデータは、狭く、まがった経路を通り、1m以上離れた処理回路で処理される。そのためケーブルには、高速信号伝送・長尺・柔軟性が要求される。また、3年以上の実験期間を安定稼働するための、放射線耐性や物理特性が要求される。それらを満たすケーブルは存在しないので、フレキシブル基板(FPC)技術を応用して独自開発を行った。開発したケーブルは、長さ120㎝、幅5㎝の4層FPCで、130um幅の信号線を124本、検出器への電源とグランドを配置している。各信号線は2本1対のLVDSペアを構成し、200Mbpsで信号伝送を行う。開発したケーブルでは、長距離での信号減衰を減らすため誘電体として液晶ポリマー(LCP)を用いており、多層化ではLCPに適応した接着剤を選別して使用している。今回、放射線耐性を調べるため積層FPC試験片にガンマ線を照射し、積層部の接着強度やFPCの曲げ弾性率などの物理特性の変化を調べた。本講演では、これらの結果について報告する。