THP025  ビーム診断・ビーム制御  8月12日 会議室P 13:10 - 15:10
理研AVFサイクロトロンで加速されたイオンビームの4Dエミッタンス測定器開発の現状
Current status of developing 4D emittance monitor for ion beams accelerated by RIKEN AVF Cyclotron
 
○小高 康照,鎌倉 惠太,山口 英斉,今井 伸明,酒見 泰寛,下浦 享(原子核科学研究センター),加瀬 昌之,大西 純一,後藤 彰(仁科加速器科学研究センター),畑中 吉治(大阪大学核物理研究センター)
○Yasuteru Kotaka, Keita Kamakura, Hidetoshi Yamaguchi, Nobuaki Imai, Yasuhiro Sakemi, Susumu Shimoura (CNS, University of Tokyo), Masayuki Kase, Jyun-ichi Ohnishi, Akira Goto (RIKEN Nishina center), Kichiji Hatanaka (RCNP, Osaka University)
 
原子核科学研究センター(CNS)において、世界最高精度の電気双極子能率測定を目指した大強度Fr生成実験が進行中である。Frは理研AVFサイクロトロンで126MeVに加速した酸素イオン(18O6+)ビームを金標的に照射し、核融合反応で生成する。この精度達成のために18eµA以上のビーム強度が必要と見積もられている。この実験装置はAVFサイクロトロンの階下のE7実験室にあり、ここにはCNSの宇宙核物理実験の低エネルギー不安定核生成分離装置(CRIB)があり、最近はRI製造用標的も増設され大強度イオンビームの需要が増している。一方、各実験装置までのビーム輸送率はビーム強度が5eµA超の場合は平均6割と低いので、高Fr収量実現を主として、各実験のためのビーム輸送率の改良が目的である。そこで大強度ビームに対応するために、冷却不要と目されるペッパーポット型エミッタンス測定器を開発し、4次元(x, y, x', y’)エミッタンスを測定し、ビーム軌道を最適化する計画である。4次元エミッタンスが必要な理由は、E7実験室へのビームライン上の四極電磁石や偏向電磁石が回転しているためにビーム横向き成分が結合することと、ビーム損失も考慮したビーム軌道計算のためにビームの(x, y)成分の関係が必要なことである。この測定器はデジタルカメラを使用するので、放射線損傷対策が必要であり、遮蔽材と安価な小型カメラの高頻度交換での対応を検討している。今回はこの開発の進捗状況を報告する。