THP022  ハドロン加速器/ビームダイナミクス・加速器理論  8月12日 会議室P 13:10 - 15:10
SuperKEKBでのチューンシフトが及ぼす影響について
Impact of tune shift in SuperKEKB
 
○照井 真司,石橋 拓弥,大見 和史,周 徳民,大西 幸喜,古賀 太一朗(高エネ研)
○Shinji Terui, Takuya Ishibashi, Kazuhito Ohmi, Demin Zhou, Yukiyoshi Ohnishi, Taichiro Koga (KEK)
 
蓄積型円形加速器では、加速器を構成する加速空洞やビームパイプなどの機器からのインピーダンスの影響を繰り返し受けることになる。そして、チューンシフトは、スペースチャージやインピーダンスが原因で、引き起こされることが知られている。 現在、SuperKEKBは、電子リングで2.6 A、陽電子リングで3.6 Aという高いビーム電流への到達過程で、日々の調整でビーム電流の増加を目指している。ルミノシティ増加のためのバンチ電流の増加や、衝突点垂直方向ビームサイズ縮小のためのオプティクス変更に伴うアパーチャーの変化は、チューンシフト量の変化を意味する。このチューンが共鳴線上にシフトした場合、大きなビームロスやビームサイズの増大などの影響がでてくる。SuperKEKBのような大電流加速器でのビームロスは、真空機器や素粒子検出器を損傷させる危険性がある。また、衝突型加速器でのビームサイズの増大は、ルミノシティの減少に直結するため防がなければならない事象である。上で挙げた事象を避けて、安定な加速器運転を実現するためにはチューンシフトの理解は非常に重要である。 本学会では、シングルビームでのチューンサーベ時と、電子ビームと陽電子ビーム衝突状態でのチューンサーベ時のビームサイズや素粒子検出器へのバックグラウンドノイズの相関についての観測事例を報告する。