THP020 ハドロン加速器/ビームダイナミクス・加速器理論 8月12日 会議室P 13:10 - 15:10 |
J-PARC 3GeVシンクロトロン用荷電変換フォイルの長寿命化に向けたとりくみ |
Initiatives to address the lifetime improvement of HBC stripper foil for 3GeV synchrotron of J-PARC |
○吉本 政弘,仲野谷 孝充,山崎 良雄,サハ プラナブ,金正 倫計(原子力機構・J-PARC),山本 春也,岡崎 宏之,田口 富嗣,山田 尚人,山縣 諒平(量研機構・高崎) |
○Masahiro Yoshimoto, Takamitsu Nakanoya, Yoshio Yamazaki, Pranab Saha, Michikazu Kinsho (JAEA/J-PARC), Shunya Yamamoto, Hiroyuki Okazaki, Tomitsugu Taguchi, Naoto Yamada, Ryohei Yamagata (QST/Takasaki) |
J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器(RCS: Rapid Cycling Synchrotron)では、大強度陽子ビームを実現するために荷電変換フォイルを用いた荷電変換ビーム多重入射方式を採用している。RCSでは、ホウ素を添加した炭素電極によるアーク放電法で製膜した薄膜 (Hybrid type thick Boron-doped Carbon: HBC)を荷電変換フォイルとして用いている。HBCフォイルは、ホウ素を添加することで従来の純炭素薄膜と比較してビーム照射に対する寿命の向上に成功し、RCSにおいてもビーム強度700kWでの長期間利用運転及び1MWでの2日間連続運転試験で壊れることなく使用できることを示した。我々は、ホウ素添加によりビーム照射耐久性能が向上するメカニズムを明らかにし、さらなる長寿命化に向けたフォイルの実現を目的とし、QST高崎・イオン照射施設(TIARA: Takasaki Ion Accelerators for Advanced Radiation Application)のイオンビームを用いた照射試験を行ってきた。これまで、ホウ素の添加量やカソード・アノード電極に使用するホウ素添加炭素電極と純炭素電極の組み合わせにより、イオンビーム照射による寿命が異なることが分かってきた。本報告では、ビーム照射試験の結果からHBCフォイル内のホウ素の役割に関する考察について報告する。 |