THP019  ハドロン加速器/ビームダイナミクス・加速器理論  8月12日 会議室P 13:10 - 15:10
ミュオンサイクロトロンの磁場測定結果の分析
Data analysis of magnetic field measurement of muon cyclotron
 
○大西 純一(理研仁科センター),後藤 彰,山崎 高幸,永谷 幸則,湯浅 貴裕,安達 利一,三宅 康博(高エネルギー加速器研究機構),筒井 裕士,楠岡 新也,恩田 昂,熊田 幸生(住友重機械工業)
○Jun-ichi Ohnishi (RNC), Akira Goto, Takayuki Yamazaki, Yukinori Nagatani, Takahiro Yuasa, Toshikazu Adachi, Yasuhiro Miyake (KEK), Hiroshi Tsutsui, Shinya Kusuoka, Takashi Onda, Yukio Kumata (SHI)
 
J-PARC MLFでミュオニウムをレーザーイオン化することで生成した超低速ミュオンをサイクロトロンで30 keVから5 MeVまで加速することによって透過型ミュオン顕微鏡の実現をめざしている。このサイクロトロンの取り出し半径は262mmで、電磁石は4セクター、ヒルギャップ52mm、磁極直径φ698mm、平均磁場0.4T、重量約8tである。2020年12月に□5mm、94ターンのサーチコイル(約5Hz連続回転)をモーター駆動ステージに設置してミディアンプレーン上の磁場マッピング測定を行った。本サイクロトロンは等時性磁場を作るためのトリムコイルをもっていないため、この測定によって磁極側面の鉄シムの厚さを調整した。これにより、dB/Bが±3×10-4、加速中の粒子の位相変動がRF加速位相に対して±2°程度の等時性磁場を作成することができた。本発表では設計に用いたopera3d磁場とこの測定で得られた磁場マップを比較し、軌道計算結果の相違についても述べる。磁場測定後、RF空洞(主空洞108MHz、フラットトップ空洞324MHz)、真空容器などの組立を実施し、現在、RF電源およびローレベル制御系の調整を行っている。