THP016  電磁石と電源  8月12日 会議室P 13:10 - 15:10
g-2/EDM精密計測用ミューオン蓄積超電導磁石の磁気設計の最新化
Updated magnetic design of muon storage magnet for g-2/EDM precision measurements
 
○阿部 充志,荻津 透,齊藤 直人,佐々木 憲一,三部 勉,中山 久義(高エネ研),飯沼 裕美(茨城大学)
○Mitsushi Abe, Toru Ogitsu, Naohito Saito, Ken-ichi Sasaki, Tsutomu Mibe, Hisayoshi Nakayama (KEK), Hiromi Iinuma (Ibaraki Univ.)
 
ミューオンの磁気・電気モーメント高精度測定に用いる磁石は、ミューオンを周回・蓄積するシリンダー状の領域(断面3cm幅、10cm高で直径66.6cm)に、高磁場(3.0T)で超高均一磁場(磁場振幅±0.1ppm、均一度0.2ppm)を必要とする。これは、MRI磁石の場合に比べ約一桁良い均一度である。また、周辺磁場も螺旋入射を可能とするものが必要である。このような磁場を発生する起磁力配置の設計手法は既に開発し、当時の設計を反映した起磁力配置設計例と共に報告した(加速器学会, 北大, 2017、NIMA, Vol. 890, 2018)。 その後の設計進展で、磁石全体を覆う鉄yokeには、冷凍用と微調整シミング用の貫通穴が運転時にも存在することになった。これらの穴は、上下、及び周回方向の対称性を考慮した配置とするが、コイル配置の見直しを行った結果について報告する。また、入射軌道やミューオン崩壊後のポジトロンの検出器付近の軌道をシミュレーションする2D磁場分布の算出算出方法と、弱集束磁場を発生する傾斜磁場コイルの設計手法についても報告する。