THP008  加速器土木・放射線防護/真空  8月12日 会議室P 13:10 - 15:10
PF入射部更新改造にともなう入射ビーム軌道の設計とアライメント
Design of the injection point and align magnets for the upgrade of PF ring injection section
 
○長橋 進也,上田 明,内山 隆司,帯名 崇,小林 幸則,高井 良太,高木 宏之,多田野 幹人,谷本 育律,中村 典雄,野上 隆史,原田 健太郎,東 直,本田 融,満田 史織,宮内 洋司(高エネ研),川野 壽美,藤川 雄次(三菱SC)
○Shinya Nagahashi, Akira Ueda, Takashi Uchiyama, Takashi Obina, Yukinori Kobayashi, Ryota Takai, Hiroyuki Takaki, Mikito Tadano, Yasunori Tanimoto, Nnorio Nakamura, Takashi Nogami, Kentaro Harada, Nao Higashi, Tohru Honda, Chikaori Mitsuda, Hiroshi Miyauchi (KEK), Toshimi Kawano, Yuji Fujikawa (MSC)
 
 2.5GeVの放射光源用電子蓄積リングであるPhoton Factory Storage Ring(PFリング)では、2015年に入射セプタム電磁石2用真空チャンバー内で冷却水の漏水が発生し、液体シーラーによる修理を行った。2017年には漏水が悪化したため、冷却水の通水を止め、仮設の放射光アブソーバーを設置する応急処置を行った。また、従来の入射ビーム軌道では、蓄積ビームの入射バンプ軌道と入射ビームとの距離が遠く、物理口径が最も狭い部分でのビームロスが問題となっていた。これらを解決するため、冷却水の漏水が発生したセプタム電磁石2を更新し、入射ビーム軌道を蓄積ビームに近づける改造を行った。  本改造では、長年の建物の変形による電磁石のずれを設計軌道に対してアライメントし直すのではなく、測量によって得られた位置を基に入射ビームの軌道を設計し直し、その軌道に対してアライメントし直す方式を採用した。測量の結果、水平方向のずれは入射点に最も近い偏向電磁石の偏向角を変え、2台のセプタム電磁石の位置を修正することで吸収できることがわかった。また、垂直方向は、電子陽電子入射器(LINAC)の終端部に対して9.1 mmと大きくずれていることがわかったが、入射点近傍のずれは最大でも1.5 mm以内であったため、入射点近傍の電磁石のみをアライメントし直すこととした。  本発表では、測量結果に基づく入射ビーム軌道の再設計と、アライメントの結果について報告する。