THP003  加速器応用・産業利用/粒子源  8月12日 会議室P 13:10 - 15:10
高強度小型サイクロトロンのエネルギー効率向上を目指した要素技術開発
Improvement of energy efficiency of high intensity compact cyclotron
 
○福田 光宏,依田 哲彦,神田 浩樹,安田 裕介,武田 佳次朗,原 隆文,大本 恭平,森田 泰之,荘 浚謙,趙 航(阪大RCNP),篠塚 勉,伊藤 正俊(東北大CYRIC),涌井 崇志(量研量医研),倉島 俊,宮脇 信正(量研高崎研),中尾 政夫(群大重医セ),松田 洋平(甲南大)
○Mitsuhiro Fukuda, Tetsuhiko Yorita, Hiroki Kanda, Yuusuke Yasuda, Keijiro Takeda, Takafumi Hara, Kyohei Omoto, Yasuyuki Morita, Tsun Him Chong, Hang Zhao (RCNP), Tsutomu Shinoduka, Masatoshi Itoh (CYRIC), Takashi Wakui (QST-NIRS), Satoshi Kurashima, Nobumasa Miyawaki (QST-Takasaki), Masao Nakao (GHMC), Yohei Matsuda (Konan Univ.)
 
サイクロトロンは元々、エネルギー効率(運転パワーに対する出力ビームパワーの比率)に優れた加速原理を有する加速器である。このサイクロトロンの特徴を最大限に活かし、陽子・重陽子だけでなく,4He2+、H2+、水素・重水素負イオンなどの大強度ビーム(数~数10mA)を,30%以上のエネルギー効率で供給する省エネルギー高強度小型加速器の実現を目指した要素技術開発に取り組んでいる。具体的には、数10~100mA級正・負イオン源の開発とサイクロトロンにおける負イオン加速の高効率化、空間電荷効果を考慮した透過効率の高い入射ビーム輸送法の開発、mA級の高強度負イオンビームを安定に取り出すための荷電変換引き出しシステムの開発、加速器の消費電力を減らして30%以上のエネルギー効率を達成しうる永久磁石型電磁石と共振空洞の設計などを共同で進めている。この高強度小型加速器の開発により,治療用短寿命RIや従来原子炉で製造されてきたがん検査用RIを加速器で大量に製造・供給することが期待される。本講演では,これらの要素技術開発の進捗状況について報告する。