THOB02  ビームダイナミクス・加速器理論/粒子源  8月12日 会議室B 10:30 - 10:50
2.5次元 PIC シミュレーションにおける鏡像電流のモデル化
Modeling of Image Current for 2.5 Dimensional PIC Simulations
 
○栗本 佳典(高エネ研)
○Yoshinori Kurimoto (J-PARC Center)
 
大強度陽子シンクロトロンJ-PARC Main Ringでは、空間電荷効果を含む多粒子トラッキングシミュレーションに2.5次元のPIC(Particle in Cell)シミュレーションを用いている。ここでの2.5次元とは縦方向と横方向の空間電荷分布が独立だとしてポアソン方程式を解くという意味で使用している。これらのシミュレーションでは、ステップごとに決まる電荷および電流分布から静電磁場モデルを使用してポテンシャルを求めているが、ビームダクトとの境界条件は電磁場の周波数によって異なる。具体的には、表皮効果により周波数が高い磁場はダクトに浸透しなくなる。また、ダクトの外に浸透した遅い磁場は強磁性体である磁極の影響を受ける。したがって厳密には静電磁場の物理ではない。一方で、周長1500 m以上を何万ターンもする加速器のコンポーネントを正確に反映した状態で時間に依存するマックウェル方程式を境界条件付きで解くことは現実的でない。そこで、本研究では、周波数依存性とダクトの形状による違いを含める簡易的なモデルを考案し、その有用性をコヒーレントベータトロンチューンシフトの測定との比較で考察した。その詳細を報告する。