THOA02  光源加速器  8月12日 会議室A 10:30 - 10:50
SAGA-LS電子蓄積リングにおけるビームロス発生時のビームプロファイル観測
Observation of the beam profile at the moment of beam loss in the SAGA-LS storage ring
 
○岩崎 能尊(九州シンクロトロン光研究センター)
○Yoshitaka Iwasaki (SAGA-LS)
 
SAGA-LS電子蓄積リングにはリニアックにより255 MeVまで加速された電子が入射される。約300 mA蓄積後にリング内で1.4 GeVまでランプアップ(加速)を行う。従来ランプアップ開始直後(~400 MeV以下)に数mA~10 mA程度のビームロスが発生していた。調査の結果、制御システムに起因する6極電磁石電源出力の異常が見つかり、これを修正したところ大幅にビームロスは低減された。またランプアップのスピードアップにも成功し、1.4 GeVまでの到達時間は4分半から1分半に短縮された。しかし、現在においても数mA程度のビームロスが発生し、まれに10 mA以上のビームロスや全ロスが発生する。ビームロスの要因を更に調査するため、ランプアップ時のビームプロファイル映像、ビーム電流、ビーム位置、主要電磁石電源出力値をPXIシステムにより同時に観測した。画像収録にはPXI Camera Linkモジュールを用いた。また、ビームプロファイルはアナログCCDカメラにより取得されているため、ビデオ信号とCamera Link信号の変換にはSTAC ACLD-400を用いた。観測の結果、ビームロスにはいくつかのパターンが存在するものの、ビームロス発生時に垂直方向ビームサイズが増大しているケースが多く見られた。本会議においてビームロス発生時に観測されるビームプロファイル形状の変化事例を報告する。また、合わせてビームロス発生メカニズムについての考察を行う。