MOP048  光源加速器/レーザー  8月9日 会議室P 12:50 - 14:50
cERL-FEL用タンデムアンジュレータの運転状況
Operation of the tandem Undulators for the cERL-FEL
 
○土屋 公央,阿達 正浩,江口 柊,加藤 龍好(KEK 加速器)
○Kimichika Tsuchiya, Masahiro Adachi, Shu Eguchi, Ryukou Kato (KEK Accelerator)
 
現在、高エネルギー加速器研究機構のエネルギー回収型ライナック(cERL)において赤外波長域の自由電子レーザーの開発研究が進んでいる。この計画では、各種樹脂材料の加工に有用な光源となる中赤外波長領域(波長10~20 μm )の波長可変な高出力レーザー光源を開発する事を目標とする。このために長さ3mのアンジュレータを2台建設して、cERLリングに順次インストールした。2020年6月からは2台のタンデムアンジュレータとしてビーム運転が開始されている。この2台のアンジュレータは、最小ギャップが10mmの固定Gapであり、下側磁石列を長手方向にスライドさせることで光の波長を制御するadjustable phase undulator (APU)として使用している。アンジュレータ真空チャンバーの垂直方向の開口は約8㎜と狭く電子ビームのエネルギーも17.5MeVと低いために、計6mにわたるアンジュレータセクションの電子ビーム輸送には当初困難が予想された。しかし実際にはアンジュレータ磁場の垂直方向の収束力が強く働いていることが判明し、問題なくビーム輸送に成功した。 また2020年の11月にはFEL実験の要請から、2台のアンジュレータの上部磁石列をシムにより長手方向に傾ける試みを実施して、2021年春の運転ではテーパードアンジュレータとしての運用を行った。 本発表ではcERL自由電子レーザー用アンジュレータのコミッショニングとその運用経験について報告する。