MOP046  高周波源・LLRF  8月9日 会議室P 12:50 - 14:50
KEK電子陽電子入射器におけるRF位相フィードバックの導入
RF phase feedback at KEK electron/positron injector LINAC
 
○三浦 孝子,荒川 大,片桐 広明,松本 利広,矢野 喜治(高エネ研),工藤 拓弥(三菱電機システムサービス)
○Takako Miura, Dai Arakawa, Hiroaki Katagiri, Toshihiro Matsumoto, Yoshiharu Yano (KEK), Takuya Kudo (Mitsubishi Electric System & Service)
 
KEKの電子陽電子入射器は、4 つの蓄積リング(SuperKEKB HER, LER, PF, PF-AR)への同時トップアップ入射を行っている。RFに関してはパルス幅が4 μsと短く、また、各リングのビームモードでRFのタイミングや位相を50Hzのパルス毎に切り替えて運用しているため、これまではRFのフィードバックは導入していなかった。そのため、RFの安定度はクライストロンモジュレータの電圧安定度や冷却水温の安定度に依存していた。加速管用冷却水の温度制御が長期間不安定となった時期があり、補正のために新たにRFの位相フィードバックを導入した。位相の安定化に対しては、ビームを出さずにRFを空打ちするNIM(Non Injection Mode)モードを利用して、加速管出口のRF位相を安定化するようにオフセット位相を導出し、各ビームモードのRF設定位相に対して補正を行っている。現在、全箇所に導入され、クライストロン立ち上げ直後の冷却水温が安定していない時間でも、速やかにビームを加速することが可能となった。