MOP025  ビーム診断・ビーム制御  8月9日 会議室P 12:50 - 14:50
TIARA AVF サイクロトロンRI製造用ビームラインのビームエネルギー・位置モニターの開発
Development of beam energy and position monitor system in the beam transport line for RI production at the TIARA AVF cyclotron
 
○宮脇 信正,渡辺 茂樹 ,柏木 啓次,石岡 典子,倉島 俊(量研 高崎),福田 光宏(阪大RCNP)
○Nobumasa Miyawaki, Shigeki Watanabe, Hirotsugu Kashiwagi, Noriko Ishioka, Satoshi Kurashima (QST Takasaki), Mitsuhiro Fukuda (RCNP, Osaka University)
 
量研高崎のTIARA AVFサイクロトロンでは、アルファ線核医学治療に関する研究で使用するAt-211を製造するため、HeビームをBiターゲットがあるRI製造装置に供給している。At-211の製造では、ビームの加速エネルギーが僅かに高くなるだけでその生成率が大きく増加するが、エネルギーが一定以上高くなると化学的に分離不能なAt-210の生成及びその壊変によって放射性毒性の高いPo-210が生じるため、ビームのエネルギーの測定・制御は極めて重要である。これまでのAt-211の製造では、サイクロトロンの運転毎に偏向電磁石を用いた測定でビームエネルギーの僅かな変化を確認し、これに伴ったAt-210の検出やAt-211の生成率の低下も確認できた。しかし、この測定方法では、RI製造装置がサイクロトロンからの直線上のビームラインの末端に位置するため、RI製造中や製造前でも測定の短時間化ができず、At-211の製造におけるビームエネルギーの変化への対応が困難であった。そこで、リアルタイムでビームのエネルギーを測定するため、理研で開発されたビームエネルギー・位置モニター(BEPM)システムを導入し、本ビームラインに適用するための設置調整を行った。その結果、リアルタイムでのビームのエネルギー測定とともに位置測定も可能とした。発表では、BEPMの設置調整と得られた測定結果について報告する。