MOP002 加速器応用・産業利用/粒子源 8月9日 会議室P 12:50 - 14:50 |
重粒子線小型シンクロトロン用超伝導電磁石の磁場設計とショートコイルモデルによる励磁試験 |
Magnetic field design of the superconducting magnet for a heavy ion synchrotron and an excitation test using a short coil model |
○藤本 哲也(加速器エンジニアリング),水島 康太,岩田 佳之,野田 悦夫,浦田 昌身,松葉 俊哉,楊 叶,白井 敏之(量研機構),阿部 康志(理研仁科センター),天野 沙紀,高山 茂貴,折笠 朝文,中西 康介,平田 寛(東芝エネルギーシステムズ) |
○Tetsuya Fujimoto (AEC), Kota Mizushima, Yoshiyuki Iwata, Etsuo Noda, Masami Urata, Syunya Matsuba, Ye Yang, Toshiyuki Shirai (QST), Yasushi Abe (RIKEN Nishina Center), Saki Amano, Shigeki Takayama, Tomofumi Orikasa, Kosuke Nakanishi, Yutaka Hirata (Toshiba Energy Systems & Solutions Corporation) |
重粒子線がん治療装置の更なる小型化、低コスト化を実現するため、超伝導技術を用いた超小型重粒子線がん治療装置の開発を進めている。本装置のシンクロトロン用超伝導電磁石には、0.3 Tから3.5 Tの磁場を連続的に10秒周期で上げ下げを実現する冷凍機伝導冷却方式を採用し、従来型シンクロトロンの半分以下となる周長28 m、炭素イオンを4 MeV/uから最大430 MeV/uまで加速することを目標としている。超伝導線には新たに開発したφ1.0 mm低ACロス線を採用し、サーフェスワインディングによりG-FRP製コイル巻枠上に3次元巻線を行う。磁石中心はcosθの電流分布が得られるコイル配置とするが、コイルエンドではこの電流分布が乱れるため磁場中に多極成分が生じる。とりわけ二極コイルが作る六極磁場成分が非常に大きく、これがダイナミックアパーチャーを狭める要因となる。コイルエンドの短い区間においてもベータ関数が変化することから、ベータ関数を考慮した六極磁場成分補正が必要であった。サーフェスワインディングによる巻線では超伝導線を任意形状に巻線固着できる。これを利用した六極磁場成分補正方法を考案した。本発表ではコイルエンドの六極磁場成分補正を含めたシンクロトロン用超伝導電磁石の磁場設計について報告する。また、この磁場設計の正当性を確認するためショートコイルモデル超伝導電磁石の製作を行った。このモデル電磁石の磁場測定結果についても合わせて報告する。 |