MOP001 加速器応用・産業利用/粒子源 8月9日 会議室P 12:50 - 14:50 |
重粒子線小型シンクロトロン用超電導電磁石の熱設計及び、パターン励磁試験 |
Thermal design and pattern excitation test results of the superconducting magnet for a compact heavy-ion synchrotron |
○天野 沙紀,高山 茂貴,折笠 朝文,中西 康介,平田 寛(東芝エネルギーシステムズ),藤本 哲也(加速器エンジニアリング),岩田 佳之,水島 康太,阿部 康志,野田 悦夫,浦田 昌身,松葉 俊哉,楊 叶,白井 敏之(量研機構) |
○Saki Amano, Shigeki Takayama, Tomofumi Orikasa, Kosuke Nakanishi, Yutaka Hirata (Toshiba Energy Systems & Solutions Corporation), Tetsuya Fujimoto (AEC), Yoshiyuki Iwata, Kota Mizushima, Yasushi Abe, Etsuo Noda, Masami Urata, Shunya Matsuba, Ye Yang, Toshiyuki Shirai (QST) |
重粒子線がん治療装置は、他の放射線治療に比べ治療効果が高く、患者への負担も少ないことから、施設数が近年増加傾向にある。一方、本装置は、入射器、加速器主リング(シンクロトロン)、回転ガントリーといった大型機器で構成されるため装置全体のサイズが大きく、さらなる普及拡大のためには機器の小型化が必須となる。そこで、装置全体を小型化、高性能化する量子メス研究プロジェクトが、量子科学技術開発機構(QST)主導のもと、2016年より進められてきた。このプロジェクトの開発項目の一つに、超電導技術を用いた小型シンクロトロンの開発があり、本開発をQSTと共同で進めてきた。現状、シンクロトロンは直径約20m程度あるが、超電導電磁石を適用することで設置面積を約1/10程度まで小型化する計画である。開発中の超電導電磁石は、GM冷凍機による伝導冷却方式を採用しており、運転電流265 Aで3.5 Tの二極磁場を発生することが可能である。さらに、ランプ速度0.6 T/sでの高速励磁が可能な仕様となっている。この様な高速励磁は、超電導電磁石内の交流損失を発生させる原因となるため、発熱対策が必須となる。本発表では、これら交流損失を含む熱設計の検討結果について報告する。また、実機と同一の断面構成を持ったショートモデル電磁石を製作し、パターン励磁試験等を実施したため、その結果についても合わせて報告する。 |