MOOB05 電磁石と電源② 8月9日 会議室B 17:20 - 17:40 |
STF における超伝導電磁石開発の取り組み |
R&D activities report on superconducting magnet in STF |
○清水 洋孝,宗 占國,木村 誠宏,山本 明(KEK) |
○Hirotaka Shimizu, Zhanguo Zong, Nobuhiro Kimura, Akira Yamamoto (KEK) |
SRF 技術を用いた加速器計画では、Nbで作られた超伝導加速空洞は、 全てクライオモジュールの中に収められる。同時に、ビームの輸送に必要な4極電磁石及び2極電磁石も、超伝導線材からなるコイルを構成要素としており、やはりクライオモジュールの中に収められる。2K超流動液体ヘリウムを使った直接浸漬の方法では、電磁石全体が超流動液体の熱浴に浸かる事で、非常に安定した冷却環境を得る事が出来る反面、寒冷である超流動ヘリウムを空洞と共有する為に、組み立ての段階でクリーンルーム内に空洞と電磁石を同時に持ち込む必要が生じ、空洞内面の汚染の可能性が高まる問題が指摘されている。 これまでのILCに向けた電磁石開発の取り組みとしては、磁石中央の上下方向の割れ目から、ヨークが左右2つに分解出来る、可分割な構造の4極電磁石の提案と開発が行われてきた。この方式では、組み立てが終了した後のコールドマスに、電磁石を後から取り付ける事が出来る事から、空洞の性能劣化の可能性を大きく引き下げる利点がある。 このレポートでは、上に述べた左右可分割型のILC用4極電磁石の試作機として、FNAL で開発され、STF に導入された超伝導極電磁石に関して、これまでの冷却と改良の履歴やその検討結果と、最新の通電試験の結果について紹介する。 |