IPP003 萌芽的加速器技術の提案 8月9日・10日・11日・12日 会議室P 12:50 - 14:50(9日、10日)、13:10 - 15:10(11日、12日) |
大口径・薄板・耐圧を実現する金属積層造形によるTi-6Al-4V合金製ビーム窓の開発 |
Development of beam window with a large diameter, a thin wall thickness, and a large proof pressure out of Ti-6Al-4V through additive manufacturing |
○牧村 俊助(KEK, J-PARC),設楽 弘之,長澤 豊,尾ノ井 正裕(金属技研),深尾 祥紀,亀井 直矢,栗下 裕明(KEK, J-PARC) |
○Shunsuke Makimura (KEK, J-PARC), Hiroyuki Shidara, Yutaka Nagasawa, Masahiro Onoi (MTC), Yoshinori Fukao, Naoya Kamei, Hiroaki Kurishita (KEK, J-PARC) |
次世代粒子加速器では高輝度な粒子ビームを得るために超伝導電磁石が主要なビーム光学機器になりつつある。しかし、超伝導電磁石に想定しない異常が発生した場合に、電磁石を冷却する液体ヘリウムがビームライン中に急激に放出される重大事故が危惧されている。実際、CERN-LHCでは、2008年9月にQuench incidentが発生し、以後の運転に大きな影響を与えた。粒子加速器の運転においてビーム窓は標的周辺環境の隔離、ビームライン領域の隔壁、二次粒子取り出し口など様々な目的で使用されている。ビーム窓は、透過する粒子のロスを低減するために低密度で薄い材料で製造する事が要求されると同時に、様々な要求から大口径であることが望まれる。一方で、次世代粒子加速器においてはQuench incident時に発生する急激な圧力上昇に対する耐圧も要求されることとなる。内圧を受ける薄板の設計においては、中央部を球殻形状にするとともに端部を厚くすることで、耐圧性能を向上できることが知られている。KEKでは金属技研株式会社との共同研究によって、このような設計思想を応用し、大口径・薄板・耐圧を実現する金属積層造形によるTi-6Al-4V合金製ビーム窓の開発を進めている。本発表では、ビーム窓開発の現状を報告する。 |