WEPP53 ポスターセッション① 9月2日 ポスター会場 12:40-14:40 |
サイクロトロン内部イオン源のRF引出しシミュレータ開発 |
Development of an RF extraction simulator for cyclotron internal ion sources |
○蛭海 元貴,筒井 裕士,宮﨑 修司,北原 龍之介(住重),星野 一生,畑山 明聖(慶大) |
○Genki Hirumi, Hiroshi Tsutsui, Shuji Miyazaki, Ryunosuke Kitahara (SHI), Kazuo Hoshino, Akiyoshi Hatayama (Keio Univ.) |
本研究は、サイクロトロン内部にイオン源を設置したシステムを対象とする。サイクロトロンの中心領域では、RF加速電場が引出し電場としても作用する。引出し電場がイオン源の引出しスリットからプラズマ容器(チムニー)内部に染み出す際、チムニー内部のプラズマがこれを遮蔽し、いわゆるイオン放出面(メニスカス)が形成される。このメニスカス形状はビームの収束・発散を決定し、ビーム特性に大きく寄与する。従来、DC引出し電場の場合を解析した例は多い一方、RF引出し電場の場合を理論的に解析した例は知る限り無い。 そこで、本研究の第1段階では、チムニーと引き出し部をモデル化した2次元Particle in Cellコードを開発し、まずは基礎的なDC引出し電場による水素プラズマからの陽子ビーム引出しを模擬した。その妥当性検証のために、シースの特性とシース理論との比較を行い、両者の良い一致を見た。さらに、DC引出し電場に対するメニスカス形状、ビーム特性の変化などの評価や、実測値や他のシミュレーションコードとの比較を行い、さらなる基礎的検討を進めている。 第2段階では、引出し電場を正弦波的に時間変化させ、RF引出しを模擬した計算におけるメニスカス形状、ビーム特性の時間発展を求める。この結果とDC電場での結果とを比較し、RF引き出し電場がメニスカス形状やビーム特性に及ぼす影響を明らかにする予定である。詳細は、発表に譲る。 |