WEPP51  ポスターセッション①  9月2日 ポスター会場 12:40-14:40
J-PARC MRアップグレードのための速い取り出し用新高磁場セプタム電磁石(2)
The new high-field septum magnet for upgrading of fast extraction in MR J-PARC(2)
 
○芝田 達伸,松本 教之,石井 恒次,杉本 拓也,松本 浩(高エネ研),Fan Kuanjun(HUST)
○Tatsunobu Shibata, Noriyuki Matsumoto, Koji Ishii, Takuya Sugimoto, Hiroshi Matsumoto (KEK), Kuanjun Fan (HUST)
 
J-PARC MRでは速い取り出しのビームパワーを750kWを経て1.3MWに増強するためアップグレードが進行中である。ビーム増強のためにはビーム運転周期を現在の2.48秒から1.16秒に短縮する。MRの入出射用電磁石システムも1.16秒周期への対応のためアップグレードを行っている。速い取り出し用高磁場セプタム電磁石は4台あり、この内3台について新しいセプタム電磁石に交換する。新しいセプタム電磁石には高繰り返しや大強度ビームが引き起こす問題に対処するためにさまざまな工夫が加えられた。磁極内用ビームダクトは渦電流を抑止するため現状のSUS材からセラミックス材に変更した。周回ビームダクトには大強度ビームのビームロスによる放射化を軽減するため純チタンダクトを採用した。3台の新高磁場セプタム電磁石は2015年に製作され、2018年の秋にその内の1台(SM30)について通電試験を行った。1.16秒周期での運転に問題はなかったが、磁場測定においてニュートリノ取り出し側とビームアボート取り出し側の磁場に0.4%の差が確認された。また周回ダクト内の漏れ磁場分布にも水平方向に沿った磁場分布に非対称性が見つかった。この問題を解決させるため2019年度再び磁場測定を行う事を計画した。本発表ではニュートリノ側とビームアボート側の0.4%の差の原因、漏れ磁場の再測定の結果、そして漏れ磁場軽減対策として新しく製作したフィールドクランプの製作と実装の結果について報告する。