WEPP13 ポスターセッション① 9月2日 ポスター会場 12:40-14:40 |
線形加速器用電流モニターにおける信号伝送解析とノイズ低減技術 |
Signal transmission analysis and noise reduction technique for current monitor in linear accelerators |
○諏訪田 剛(高エ研加速器) |
○Tsuyoshi Suwada (KEK, Acc. Lab.) |
電子線形加速器における長パルスビームの電流計測では、一般的にフェライトコアーにコイルを多数回巻いた電流モニター(CM)が用いられることが多い. 筆者の所属するKEK電子陽電子入射器では、小型の電子線形加速器を利用する低速陽電子施設ではCMを利用してビーム電流を計測している. この加速器では既存のCMを2台(電子銃直後/CM1と加速管出口/CM2)と新規に製作した同様なモニター1台(標的前/CM3)、合計3台を利用しビーム電流を非破壊で計測している.新規のものは既存のものを参考にして製作したつもりであった. しかし、ノイズ抑制という観点からすると既存モニターは問題なく利用できていたにも関わらず、新規モニターはノイズの影響を大きく受けることになった.ノイズ低減技術の一つとして有効なチョークコイルを用いたコモンモードを抑制するノイズ対策を何度も試みたがことごとく失敗した.ここでノイズ生成の原理に立ち戻って考える必要性に迫られた. 本報告は、CMにおける伝送線路の基本に立ち戻り、信号伝送とノイズ生成の原理を解析したものである.解析の結果、既存と新規モニターの間にはグランドの取り方に本質的な違いがあり、この違いが信号伝送に大きな影響を与え、信号歪みやノイズ生成の原因になっていることが判明した. 本解析を通してCMにおける信号伝送、グランドの取り方、ノイズ生成の原理等を解説し、最後に具体的なノイズ抑制方法を提案する. |