WEPP09  ポスターセッション①  9月2日 ポスター会場 12:40-14:40
可搬型XバンドライナックX線・中性子源による福島ユニット缶入り燃料デブリのU濃度検査/仕分け
U-density Analysis and Classification of Fukushima Fuel Debris in Unit Can by Portable X-band Linac X-ray/Neutron Sources
 
○上坂 充(東京大学原子力専攻)
○Mitsuru Uesaka (University of Tokyo, Nuclear Professional School )
 
東大とJAEAでは、可搬型XバンドライナックX線・中性子源による福島燃料デブリその場U/Pu濃度分析システムを構築し、東大等作成の模擬デブリを実機相当収納缶(直径200mm,高さ300mm,厚さ10mm、SUS製)に入れ、原理実証実験を行った。950keV/3.95MeVX線源による2色X線CTは、それぞれ最短で5分で完了し、3次元のCT値の再構成ができた。Pb(U模擬)/Zr/Fe/Cr/コンクリートの成分とCT値の関係がかなり得られた。溶融している部分は、成分比を反映したCT値となっている。またここまで取り出された微小デブリの成分分析から、1,2,3号炉から取り出されたデブリの成分比に、かなりの傾向がみられることもわかってきた。この予備知識を生かせば、デブリ中のUの量と濃度をかなり正確に推定できる可能性がある。一方、3.95MeV中性子源による1.5mTOF中性子共鳴透過分析によって、W(U模擬)/In(Pu模擬)20mmx20mmx2mmtの試料を2時間で中性子吸収が測定できた。この実績から短時間測定を検討する。今後は、X線/中性子測定についてUをそれぞれPb/Wで模擬した溶融混合模擬デブリを作成し、2色X線CTと中性子共鳴透過分析を行い、溶融混合状態でも、Uの量と濃度を短時間で評価できることを実証する。今後の実証実験ではこのユニット缶入りU模擬燃料デブリで実証を行う。本成果は文部科学省の公募事業である「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業廃炉加速化研究プログラム」で得られたものです。