WEOO01 電磁石と電源 9月2日 講演会場1 15:10-15:30 |
全身MRI用磁石技術を応用したビーム捕捉用超伝導磁石の精密磁場調整 |
Precise operation of superconducting magnet for beam capture applying whole-body MRI magnet technology |
○杉田 萌,飯沼 裕美,大金 千織(茨城大学),佐々木 憲一,阿部 充志,三部 勉,荻津 透,下村 浩一郎(高エネ研) |
○Moe Sugita, Hiromi Iinuma, Chiori Ohgane (Ibaraki U.), Ken-ichi Sasaki, Mitsushi Abe, Tsutomu Mibe, Toru Ogitsu, Koichiro Shimomura (KEK) |
J-PARCでは、基底状態におけるミューオニウム超微細構造(MuHFS)の精密測定実験(MuSEUM実験)を進行中である。先行実験の10倍以上の精度での測定を目指し、現在は高磁場(1.7 T)中での実験にむけた装置開発を行っている。この実験で要求される磁場の時間的・空間的均一度は、回転楕円体の内部領域(短径20 cm、長径30 cm)において0.2 ppm p-p未満である。全身MRI用超電導磁石を利用した小鉄片(鉄シム)による空間磁場均一度調整試験において、これまでに均一度0.45 ppm p-pを達成しており、2倍以上の精度向上に向け技術開発を続けている。本発表では(1)永久電流モード運用時の温度変化に伴う磁場変動の定量的評価と(2)磁性流体や磁性パテを用いた新たなシミング手法の実現可能性について議論する。 時間的な磁場変動要因の一つとして実験空間の温度変化がある。鉄シムの磁化を利用した磁場調整手法では、超電導コイル内に鉄シムを固定するための支持機構が温度変化によって膨張・収縮し、鉄シム位置の変化を引き起こす。また、鉄シムの磁化量も温度に依存する。そこで、容器温度を変化させた際の磁場変化を測定し、温度変化に係る二つの磁場変動要因のシミュレーション計算と比較検討を行った。 更に、既存の鉄シムによる磁場調整よりも高精度化するため、同体積の鉄に比べて磁化が小さい磁性流体や磁性パテを使用した新たな空間磁場調整手法の検討にも取組んでいる。その実現可能性も議論する。 |