THSP07  ポスターセッション②  9月3日 ポスター会場 13:10-15:10
KEK先端加速器施設(ATF)におけるナノビーム技術開発
Nanobeam R&D at the KEK Accelerator Test Facility (ATF)
 
○照沼 信浩,久保 浄,黒田 茂,奥木 敏行,内藤 孝,福田 将史,アリシェフ アレクサンダー,荒木 栄,森川 祐(KEK),阿部 優樹(総研大)
○Nobuhiro Terunuma, Kiyoshi Kubo, Shigeru Kuroda, Toshiyuki Okugi, Takashi Naito, Masafumi Fukuda, Alexander Aryshev, Sakae Araki, Yu Morikawa (KEK), Yuki Abe (SOKENDAI)
 
KEKの先端加速器試験施設(ATF)は、国際リニアコライダー(ILC)の衝突ビームの実現に必要な技術開発を進めている。国際コラボレーション体制の下で、ビーム最終収束システムの試験ビームライン(ATF2)を用いて、ILCでの衝突ビームサイズ7nm(垂直方向)に対応する37nmの極小ビームの実現と、それをナノメートルで位置制御するための技術の開発を進めている。  現在までに、ビーム収束点(仮想衝突点)において41 nmの達成を確認した。測定は、レーザー干渉縞を用いた逆コンプトン散乱の計測で行われ、得られる値はビームサイズの上限値である。目標に近い値が得られており、ナノメートルビームへの収束技術はほぼ確認できたといえる。一方、ビームサイズに対する明らかな電流依存性が確認されており、ウェイク場によるビームの挙動について研究を進めてきた。ビームサイズで数10から100nmの変化である。ILCはエネルギーが高くウェイク場の影響は限定的と評価されているが、その信頼性を上げるためにもATFでの研究は重要である。ATFのビームエネルギーは1.3 GeV、ILCの約1/100である。ビームパイプは内径24mmであり、その点からもWakefieldの影響が強い。ATF2ビームラインには、数10nmの位置分解能を有する空洞型BPMが並び、ナノメートルを測定する極小ビームモニターがある。ATFはWakefieldの研究に適した施設である。本ポスターではATFにおけるナノメートルビーム技術開発を紹介する。