THPP66 ポスターセッション② 9月3日 ポスター会場 13:10-15:10 |
ILC クライオモジュール用位置調整機構『アクティブムーバ』の開発 |
Development of active mover for remote position adjustment of ILC cryomodule |
藤原 康宣,○石川 歩(一関高専),阿部 優樹(総研大),早野 仁司(高エネルギー加速器研究機構) |
Yasunori Fujiwara, ○Ayumu Ishikawa (National Institute of Technology, Ichinoseki College), Yuki Abe (Graduate University for Advanced Studies), Hitoshi Hayano (KEK) |
岩手県一関市に建設が予定されているILC(International Linear Collider)は,クライオモジュールとよばれる超伝導空洞等を内蔵した筒形断熱装置を次々と接続し,全長20kmもの直線型加速器を実現する.クライオモジュールの接続部には鉛直・水平2方向の精密な位置決めが求められ,かつこの位置決めを加速器運転中のビーム出力をモニタしながら行うことが要求されている.現状のクライオモジュール試験機の位置調整は調整用ボルトの操作により行われているが,実際のILCではこれを自動で行える装置『アクティブムーバ』の開発が求められている.アクティブムーバには重量約12tのクライオモジュールを鉛直・水平方向に10μmの分解能で位置決めを行える性能が要求されている.筆者らの研究グループでは,これを満足するためにカムを用いた二つの方式を提案し,クライオモジュールの1/7モックアップで性能評価を行った.両方式とも要求仕様を満足することと,フルスケール装置への展開可能性を示すことができた.一方この方式で採用された偏心カムはカムの回転角とクライオモジュールの変位の関係が非線形のため,位置決め分解能が一様にならないという性質があり,これが位置決め性能に影響を及ぼすことも明らかになった.本研究ではこれらの課題を解決する新しいカムの提案と,その位置決め性能に対する効果について報告する. |