THPP20  ポスターセッション②  9月3日 ポスター会場 13:10-15:10
レーザーコンプトン散乱光源に向けた自発共鳴型光共振器の現状
Current status of a self-resonating optical cavity for laser-Compton scattering sources
 
○大塚 誠也,小柴 裕也,鷲尾 方一(早大理工総研),アリシェフ アレクサンダー,浦川 順治,大森 恒彦,照沼 信浩,福田 将史,本田 洋介(高エ研),上杉 祐貴,菅原 直人(東北大多元研),坂上 和之(東大光量子研),高橋 徹(広大先進理工),保坂 勇志(量研)
○Seiya Otsuka, Yuya Koshiba, Masakazu Washio (WISE, Waseda Univ.), Alexander Aryshev, Junji Urakawa, Tsunehiko Omori, Nobuhiro Terunuma, Masafumi Fukuda, Yosuke Honda (KEK), Yuuki Uesugi, Naoto Sugawara (IMRAM, Tohoku Univ.), Kazuyuki Sakaue (UT-PSC), Tohru Takahashi (AdSE, Hiroshima Univ.), Yuji Hosaka (QST)
 
電子ビームとレーザーの衝突によって高エネルギーの光子を生成するレーザーコンプトン散乱は、準単色性、エネルギー可変性、偏光可変性、微小光源性等を備えた高品質X線/γ線を小型の装置で生成でき、イメージング等医療・産業分野へ応用が期待されている。しかし従来の放射光施設等の光源と比較して輝度が劣り、実用化に向けてはさらなる高輝度化が求められる。そこで衝突レーザーパルスを光共振器に蓄積し、蓄積光パワーの高強度化およびマルチバンチ電子ビームとの高繰り返し衝突により、単位時間当たりの散乱光子数を増加させ散乱X線の高輝度化を図る。一般に高フィネスの光共振器を用いると蓄積光の強度増大率は大きくなる。しかし従来の光共振器でフィネスを非常に大きくして高増大率の光を蓄積する場合、技術的に達成困難な非常に高い精度での共振器長制御が要求され、この技術的限界によって蓄積増大率がリミットされていた。本課題を克服するため、我々は自発共鳴型光共振器の開発を進めている。この手法では共振器長の変動に追従して共鳴条件を満たす光が自発的に共鳴する。共振器長を制御せずとも共鳴が維持されるため、従来の技術的限界を超えた極めて高増大率の光蓄積が可能となる。既に連続光発振で原理は実証済みで、現在はモードロックパルス発振の試験を進めている。本講演では自発共鳴型光共振器開発の現状と今後の展望について報告する。