THOO01  加速器応用・産業利用  9月3日 講演会場1 09:00-09:20
電子線形加速器を利用したRa-225/Ac-225製造の基礎検討
Study of Ra-225 / Ac-225 production using an electron linac
 
○尾関 政文,三好 邦博,上坂 充(東大)
○Masafumi Ozeki, Kunihiro Miyoshi, Mitsuru Uesaka (Univ. of Tokyo)
 
東京大学工学系研究科は、電子線形加速器を利用したAc-225国内製造を検討している。国内の放射性医薬品の臨床研究を促進させるためにも、自給生産システムの確立が重要である。製造はRa-226ターゲットにγ線を照射し、226Ra(γ,n)225Ra反応にてRa-225を生成した後、Ra-225から自然崩壊するAc-225を化学抽出する手法を構想している。 本発表では、理想的なRa-226ターゲットを想定し、電子線形加速器を用いたRa-225 / Ac-225の製造量検討と熱設計計算について報告する。電子線形加速器のエネルギー/パワーは35MeV / 35kWとし、製造量の計算にはPHITSシミュレーションを用いた。計算精度向上のため、D-CHAIN機能を利用した計算とPHITSから得られる制動放射線データを抽出し、マクロ計算を行った。 また、照射時の熱設計を行っており、現実的な照射条件を追究している。計算には有限要素法シミュレーションを用いる。PHITSの計算結果から電子ビーム照射時の発熱データを取得し、温度計算を行った。照射時にはHeガスによる空冷を想定した。融点が696℃であるRa-226ターゲットは35MeV / 35kWのハイパワー照射では融解してしまうため、ターゲット設計に工夫が必要である。工学的諸条件を加味した照射条件について報告する。