FRPP65  ポスターセッション③  9月4日 ポスター会場 10:30-12:30
SACLA線形加速器からSPring-8蓄積リングに入射する過程で生成される不純電子バンチ成分の除去について
Reduction of the impure electron bunch generated in an injection process from the SACLA linac to the SPring-8 storage ring
 
○渡川 和晃,前坂 比呂和(理研放射光科学研究センター),松原 伸一(高輝度光科学研究センター),稲垣 隆宏,原 徹,田中 均(理研放射光科学研究センター)
○Kazuaki Togawa, Hirokazu Maesaka (RIKEN SPring-8 Center), Shinichi Matsubara (JASRI), Takahiro Inagaki, Toru Hara, Hitoshi Tanaka (RIKEN SPring-8 Center)
 
SPring-8キャンパスでは、X線自由電子レーザー(XFEL)加速器SACLAをSPring-8蓄積リング(SR)の入射器として併用し、XFEL光の発生と低エミッタンスビームの入射をショット毎に振り分けて行う複合運転が始まっている。高い入射効率でSRにビームを蓄積することに成功したものの、少数ではあるが標的とするRFバケット以外のバケットにも電子が入射されて蓄積してしまう現象が発見された。また、これらの電子は18 ns離れた特定のバケットに局在化するといった奇妙な解析結果も得られた。この不純な電子バンチはバックグラウンド放射光の要因となるため、精度を要する放射光実験を行うためには可能な限り排除しなければならない。最近行った粒子シミュレーションにより、不純電子はSACLA加速器の低エネルギー入射部 (<40 MeV) において発生することが明らかとなった。また、この過程で発生する別の不純電子が電子銃の方向に逆流してカソードにダメージを与えている可能性があることも分かってきた。本研究会では、不純電子の発生メカニズムの解明とその解決方法について報告する予定である