FRPP52  ポスターセッション③  9月4日 ポスター会場 10:30-12:30
レーザーイオン源用静電イオンアナライザの高分解能化
Improvement of resolution of electrostatic ion analyzer for laser ion source
 
○松本 友樹,片根 弘登,宮﨑 翔,高橋 一匡,佐々木 徹,菊池 崇志(長岡技大)
○Yuki Matsumoto, Hiroto Katane, Kakeru Miyazaki, Kazumasa Takahashi, Toru Sasaki, Takashi Kikuchi (Nagaoka Univ. Tech.)
 
レーザーイオン源は固体ターゲットに高出力のパルスレーザーを集光して照射することで固体から直接プラズマを生成し,引き出し電圧によりイオンビームを供給するイオン源である。重イオン慣性核融合や粒子線医療を実現するための大電流イオンビームを供給できるイオン源としてレーザーイオン源が研究されている。レーザーイオン源からの出力に含まれるイオン種の特定には,2つの扇形電極間に発生する電場によってイオン軌道を曲げてTime-of-flight(TOF)法により分離して計測を行う静電イオンアナライザが用いられている。このアナライザで得られる信号波形はスペクトル状であり,質量分解能はマススペクトルのTOFの時間幅に依存する。レーザーイオン源ではレーザーのパワー密度を大きくすると固体表面の垂直方向に対するプラズマのドリフト速度も大きくなる。このため,質量電荷比が近く高速なイオンの場合,スペクトルの時間幅に対してイオン種間のTOFの差が小さくなり分離・観測が困難になる。そこで,静電イオンアナライザでのイオン軌道の数値計算を行い,高分解能化するための構造を検討した。本研究では,提案する静電イオンアナライザを実機で構成し,実験により検証した結果について議論する。