FRPP35 ポスターセッション③ 9月4日 ポスター会場 10:30-12:30 |
高電圧サイリスタを用いたサイラトロン代替半導体スイッチの開発 |
Development of solid-state switching module using high voltage thyristor |
○近藤 力(高輝度光科学研究センター/理研),稲垣 隆宏(理研/高輝度光科学研究センター),大竹 雄次(理研),森 均,徳地 明(パルスパワー技術研究所) |
○Chikara Kondo (JASRI/RIKEN), Takahiro Inagaki (RIKEN/JASRI), Yuji Otake (RIKEN), Hitoshi Mori, Akira Tokuchi (PPJ) |
線型加速器のクライストロン・モジュレータ電源などの大電力高電圧パルスを生成する機器では、スイッチング動作をサイラトロンなどの放電管で行っている。だが、放電管は、自己着火、長期的な不安定性、数万時間程度の寿命などの原理的な問題があり、加速器の安定運転への障害となってきた。これらの問題を解決するため、我々は高速・大電流の半導体素子による高電圧スイッチの開発を進めてきた。今回、4.7 kV耐圧の高速サイリスタ素子を用い、SACLAの絶縁油密封型モジュレータ電源で使用可能な半導体スイッチを開発した。このスイッチは、サイリスタ素子を14直列2並列に使い、定格電圧50kV, ピーク電流5kA, 繰り返し60ppsにて使用可能とした。また、外形サイズは、従来のサイラトロンや周辺回路と同程度の0.5m×0.3m×0.65mに収まるものとした。このとき、サイリスタをヒートシンクに密接させ、これを縦に連ねた構造とすることで、ヒートシンク内を絶縁油が通り抜け易くし、自然対流のみで素子を冷却できるものとした。製作したスイッチをSACLAで使用するモジュレータ電源の予備機に実装し、高電圧試験を行った。45kV, 3kA, 60ppsの条件にて動作試験を行い、ターンオン速度は約0.5μsとサイラトロンと同等であり、また発熱は約300Wとサイラトロンよりも良好な結果が得られた。 |