FRPP06  ポスターセッション③  9月4日 ポスター会場 10:30-12:30
J-PARC MRにおける横方向ビーム不安定性の抵抗性壁効果の影響の調査
Study of the transverse beam instability caused by the resistive-wall impedance at the J-PARC main ring
 
○小林 愛音,外山 毅(KEK),菖蒲田 義博(JAEA),中村 剛,佐藤 洋一(KEK)
○Aine Kobayashi, Takeshi Toyama (KEK), Yoshihiro Shobuda (JAEA), Takeshi Nakamura, Yoichi Sato (KEK)
 
J-PARC main ring (MR) 速い取り出し運転において、チューンシフトやビーム不安定性を発生させるなど、横方向インピーダンスはビームに強い影響を与える。 その見積もりと対策はビーム強度を現在の3.3x10^13 ppb x 8バンチから4.4x10^13 ppb x 8バンチとする大強度運転に向けて不可欠である。 この研究ではインピーダンス源の特定のための調査を行なった。MRの横方向の主要インピーダンス源は抵抗性壁効果と考えられているが、水平方向には他にキッカー等のインピーダンスがあるため、ここでは他のインピーダンスの寄与が小さいと考えられる垂直方向についてビーム試験を行なった。試験ではマルチバンチビーム不安定性の成長率を、チューンを変えることによりインピーダンスが応答する周波数を変えて測定し、それを抵抗性壁効果の模型と比較することによりインピーダンスを同定することとした。シングルバンチ不安定性の寄与は、バンチ数を変えてバンチ電流を増減させ、かつバンチ内振動の測定を行い確認した。測定結果では抵抗性壁効果の影響が見えており、検証を行っている。試験で用いたビーム位置モニターが遮断周波数120 MHz程度の1次の高域通過フィルター特性を持つので、その波形を積分して位置情報とした。ここでは解析手法やシミュレーションとの比較についても報告する予定である。