FROO01  粒子源/加速構造①  9月4日 講演会場1 15:00-15:20
共鳴取出型チャージブリーダーの実証機開発
Development of prototype device for resonant extraction charge breeder
 
○高木 周(京大),小川原 亮(京大化研),栗山 靖敏(京大複合研),久世 啓太(京大),頓宮 拓,若杉 昌徳(京大化研)
○Shu Takagi (Kyoto Univ.), Ryo Ogawara (KUICR), Yasutoshi Kuriyama (KURNS), Keita Kuze (Kyoto Univ.), Hiromu Tongu, Masanori Wakasugi (KUICR)
 
イオン源からの不安定原子核イオンを多価化し供給するチャージブリーダーの開発を行っている。従来型のチャージブリーダーの方法では生成したイオン20%ほどしか実験に用いることができず、希少なRIの損失が発生してしまう。これは取り出し時にブリーディング中のイオンも一緒に取り出されてしまうことに起因する。我々は、電子ビームによってRIを多価化するEBIT型チャージブリーダーのイオントラップ構造に振動の要素を加え、価数成長の過程での損失率を大きく低減することを目指している。イオンをトラップするポテンシャル構造を振動させることで、目的の価数のイオンは共鳴され、必要なイオンのみを選択的に取り出せることを計算で確認した。この機構の最大の利点として価数成長中のイオンを溜め続けることができる点が挙げられ、入射した希少なRIを全てフルストリップにして供給することを目指している。実験では新たなトラップ構造の原理実証のためのプロトタイプ機の製作及びテストを行っており、励振によるイオン取り出しの価数分解能を評価していく。本発表ではプロトタイプ機の現状と、それに向けて行ったシミュレーション計算結果を合わせて述べる。