WEPI041  ハドロン加速器  7月31日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 13:30-15:30
超電導加速空洞によるミューオン加速の検討
Design of a SRF linac for accelerating muon
 
○大谷 将士(高エネ研),近藤 恭弘(原研)
○Masashi Otani (KEK), Yasuhiro Kondo (JAEA/J-PARC)
 
超電導加速空洞は常電導空洞に比べて高い加速勾配とQ値を持ち、高効率加速・短距離加速に適している。一方で速度βの小さい領域においては国内での開発が滞っており、具体的なアプリケーションやアウトプットに基づいたスタートアップが必要と考えられる。 J-PARCではこれまでにない低エミッタンスミューオンビーム実現のためにミューオン線型加速器の開発を行っている。ミューオンは陽子と電子の中間程度の質量であるため加速と共にβが急速に変わることが特徴の一つで、常伝導加速器を用いた40m程度の線型加速器でβがほぼ1に到達する。また、パルスあたり1万個程度の低電流ビームなので、空洞ロスが小さい超電導加速器の方が高周波源コストの面で優れている。 本講演では超電導加速空洞を用いた場合のミューオン線型加速器の設計を検討する。前述の通りβの変化が大きく質量が陽子・イオンに比べて約10倍以上小さいため、高周波発散力が大きい。本講演では高速度領域からビームダイナミクスを設計し、低速度領域まで適用可能かどうか検討する。