WEPI029  ビーム診断・ビーム制御  7月31日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 13:30-15:30
J-PARC MRのためのパルス駆動残留ガスプロファイルモニタの開発
Development of gated IPM (Ionization Profile Monitor) system for J-PARC MR
 
○佐藤 健一郎(J-PARC/高エネ研)
○Kenichirou Satou (J-PARC/KEK)
 
J-PARCのような大強度ハドロン加速器では、非破壊型モニタである残留ガスプロファイルモニタ(IPM)が利用されている。 J-PARC MRのIPMでは、一次元位置分解型粒子検出器であるマルチストリップアノード付きのマイクロチャンネルプレート(MCP)を粒子検出・信号増感器として使用している。 ビームにより電離分解した残留ガス由来の荷電粒子を高電場および磁場で導き、MCPで2次電子信号に変換しその信号を増幅して、マルチストリップアノードで電流信号として検出する。 この時、ある位置における検出・信号増幅感度(ローカルゲイン)は積算出力電流に依存して減少するため(長期変動)、検出器の中心部、ビームコアに相当する部分が選択的に変動することになり、測定プロファイルにひずみが発生する。 いったんゲインが変動すると、別途校正が必要となるが、この長期変動がMCPの寿命が決めている。 また、ビーム入射から出射まで、数秒間にわたってプロファイルを連続測定する際には、出力電流強度に依存して短期間にゲインが変動する現象もある(短期変動)。この場合もやはりゲインの一様性が失われるためプロファイル測定に影響を与える。 我々はローカルゲイン変動を抑えるために荷電粒子収集用電場をパルス駆動して、実効的にMCP出力電流を下げるGated IPMシステムを開発している。 発表ではGated IPMの概要と開発の進捗について報告する。