WEPI027 ビーム診断・ビーム制御 7月31日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 13:30-15:30 |
マルチバンドRFKO電界による遅いビーム取り出しの原理実証試験のためのビームシミュレーション研究 |
Beam simulation study for proof-of-principle test of slow beam extraction by multiband radio frequency electric field |
○奥川 雄太郎,山口 輝人,中西 哲也(日大生産工) |
○Yutaro Okugawa, Teruto Yamaguchi, Tetsuya Nakanishi (College of Industrial Technology, Nihon University) |
粒子線がん治療における効果的なビーム照射法としてスポットスキャニング照射法がある。この方法はシンクロトロンからのビーム取り出しにおいて高速なビーム制御が必要である。それを目的としてRFKO(Radio Frequency Knockout)法がある。一様なスピルを得るために、高周波源として複数のベータトロン共鳴周波数帯を含んだマルチバンドのカラードノイズ(CN)を提案し、出射ビーム強度が一様になることを示した。CN発生源としてDAC(D/A Converter)を用いた。あらかじめPC上で計算したCNデータをDACのメモリに書き込み、外部クロックにより出力する。DACのメモリには限りがあるため、計算したCNデータを繰り返し使用する。今回、若狭湾エネルギー研究センター(WERC)でマルチバンド方式の原理実証実験を行うために様々な条件でビームシミュレーションを行った。CNデータは1-5万ターンとスピル構造が比較的滑らかな1-2万ターン、7万-12万ターンの部分を使用した。一方、ビーム実験で用いる高周波アンプの最大出力電力は、ピーク電圧により制限される。また、スピル強度は実効値の二乗に比例する。そのためCNデータのピーク値を下げる操作を行った。元データでは、ピーク値/実効値は約5であったが、この値が3.3になるように高い値を減少させた。このピーク値の操作によるスピルの影響がないことをシミュレーションにより確認した。当日はこれらの結果について詳述する。 |