WEPI013  光源加速器  7月31日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 13:30-15:30
SACLA軟X線自由電子レーザービームラインにおける六極電磁石を用いたエネルギーチャープ非線形性補正
Nonlinear energy chirp correction using sextupole magnets at the soft x-ray free-electron laser beamline of SACLA
 
○渡川 和晃,原 徹,田中 均(理化学研究所 放射光科学研究センター)
○Kazuaki Togawa, Toru Hara, Hitoshi Tanaka (RIKEN SPring-8 Center)
 
X線自由電子レーザー施設SACLAでは、2本の硬X線FELビームラインと並行して800 MeVの専用加速器(SCSS+)を備えた軟X線FELビームラインが稼働している。よりパルス幅が短くよりピーク強度が高い軟X線FEL光を利用したいというユーザーの要望に応えるために、電子ビームのエネルギーチャープの非線形性を補正して時間的により輝度の高い電子ビームを形成するシステムを開発している。SACLA加速器では、入射器にL-band加速管を用いているため高次高調波であるC-band補正空洞を用いると効率的に非線形性補正が行えるが、SCSS+ではS-band加速管を用いているためX-band補正空洞を使用しなければならない。X-bandは既に確立している技術ではあるものの、その導入には多大な労力と予算を費やしてしまう。そこで我々はバンチ圧縮器の分散部に六極電磁石を設置して、その非線形性を利用して高周波加速やバンチ圧縮の過程で生じるエネルギーチャープの非線形性を補正することを提案した。本学会では、六極電磁石による補正システムの原理とパラメータ設計について報告する。