WEPI012  光源加速器  7月31日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 13:30-15:30
UVSOR-Ⅲにおける短波長コヒーレント光渦発生の研究
Study of short wavelength coherent light vortex generation in UVSOR-III
 
○松永 幸大(名大工),高嶋 圭史,保坂 将人,真野 篤志,郭 磊(名大SRセンター),藤本 將輝(分子研UVSOR),加藤 政博(広島大学)
○Yukihiro Matsunaga (Nagoya Univ.), Yoshifumi Takashima, Masahito Hosaka, Atsushi Mano, Lei Guo (Nagoya Univ. SR), Masaki Fujimoto (UVSOR. IMS), Masahiro Katoh (Hiroshima Univ.)
 
光渦とは螺旋状の波面を持つ光で軌道角運動量を運ぶことが知られている。また、中心に位相特異点を持つことからドーナツ状の強度分布をもつ。これらの特徴から、光渦を原子や分子に照射すると通常の光では起きない反応が起きることが期待される。 近年の研究では、円偏光アンジュレータから発生する自然高調波が光渦であることが明らかになった。従来はレーザー光源などを特殊な光学素子を通して光渦を発生させたが、アンジュレータを用いた光学素子の使えない短波長領域の光渦の発生が可能となった。 本研究ではCHG(Coherent Harmonic Generation)法を用いた時間的にコヒーレントな短波長光渦の発生を目的とする。 実験は、UVSOR-BL1Uの光クライストロン型可変偏光アンジュレータおよび超短パルスレーザーを用いて行う。まず、上流側の水平偏光アンジュレータ中で電子ビームとレーザー光とを相互作用させ、電子ビーム中にレーザー波長でのエネルギー変調を生成する。その後バンチャーでエネルギー変調を密度変調に変換する。バンチャーを通過後、円偏光アンジュレータを通して高調波を取り出しコヒーレント光渦を発生させる。光渦を専用ビームラインに取り出し、その強度分布や位相空間構造を確認する。 現在は上流部のレーザー輸送路および観測系を構築中である。レーザー輸送路が完成後直ちにコヒーレント光渦の発生実験を行う。本発表では最新の状況を報告する予定である。