WEPH038  電磁石と電源  7月31日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 13:30-15:30
J-PARC加速器用イグナイトロン代替半導体スイッチと新キッカー電源の開発
Development of ignitron alternative semiconductor switch and new kicker power supply for J-PARC accelerator
 
○小野 礼人,高柳 智弘,植野 智晶,堀野 光喜,山本 風海,金正 倫計(J-PARC/JAEA)
○Ayato Ono, Tomohiro Takayanagi, Tomoaki Ueno, Koki Horino, Kazami Yamamoto, Michikazu Kinsho (J-PARC/JAEA)
 
大電流・高電圧の放電スイッチとして、イグナイトロンやサイラトロンがある。J-PARCでは、LINACの加速用高周波源で使用するクライストロン電源のクローバー装置にイグナイトロンスイッチを、RCSの大強度ビームの取り出しに使用するキッカー電源システムにサイラトロンスイッチを用いている。イグナイトロンは、世界的に使用が制限されている水銀を使用しており、将来的に製造中止が見込まれる。そこで、MOSゲートサイリスタを用いたイグナイトロン代替用半導体スイッチを開発している。クローバー装置として使用するためには、120kV、40kA、50usの動作出力に耐得うるスイッチが必要である。1枚当たり、3kV、40kA、50usの動作出力を実現するオーバル型基板モジュールを開発した。予備試験結果について報告する。最終的には、本基板を40枚積み重ねて120kVを出力する。また、サイラトロンの代替スイッチにSiC-MOSFETを用いたLTD回路を採用し、更に、本回路を応用した放射対称型パルス電源回路を開発した。本回路基板は、RCSキッカー電源システムに必要な立ち上がり250ns以下、フラットトップ1us以上を、1枚当たり800V、2kAのパルス出力で実現する。本基板26枚の積み重ねとフラットトップのドゥループを補正する補基板を用いた20kV(最終仕様40kV)での出力試験結果について報告する。