WEPH032  電磁石と電源  7月31日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 13:30-15:30
J-PARCミューオンg-2/EDM実験のための垂直ビームキッカー装置の概念設計とテストベンチ作業準備
Conceptual design of vertical beam kicker and preparations for test bench work for the muon g-2/EDM experiment at J-PARC
 
○平山 穂香(茨城大学理学部),飯沼 裕美(茨城大学理工学研究科),阿部 充志(KEK),高柳 智弘(JAEA)
○Honoka Hirayama, Hiromi Iinuma (Ibaraki Univ.), Mitsushi Abe (KEK), Tomohiro Takayanagi (JAEA)
 
標準理論を超える新しい物理を探索するため、ミューオンスピン歳差運動を超精密測定する実験(E34)がJ-PARCで進んでいる。実験成功の要のひとつにビームを正確に蓄積磁場の中心平面に誘導する技術があり、そのパフォーマンスは最終的な物理結果の系統誤差に直結する。蓄積磁石内部では一切の電場によるビーム制御ができないため、空芯コイルにパルス大電流を流して時間構造を持った磁場を発生させ、磁場によるビーム軌道の制御を行う。本発表では、蓄積磁石内部に設置する垂直ビームキッカー装置の概要を紹介し、実験からの要求を満足するための概念設計の検討結果を報告する。さらに、空芯コイルの試作を行い、テストベンチで実際に大電流パルス発生装置と接続し、設計を満足する磁場の空間分布・時間分布を評価する。この基礎研究の成果は実機の詳細設計に反映していく予定である。